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だがしかし。考えたがしかし、何かって?
礼の仕方さ。
やはりあれしかないだろうな。
ボクは男のほうに向き直って、深々と頭を下げてこう言ってやったよ。
「貴方に神の御加護を。」
ってな。
非常に神父らしいだろ?
それに、それを聞いた白髭は満足したのか。
「んんんっ、何だって!?」
ハハッ、耳が遠いのか?
仕方ないジジィだ、もう一度だけ言ってやるよ。
「貴方に神のごか‥。」
「ワァッハハハハ!!」
ボクが口を開いて頭を下げた途端に、今度は奴は大笑いしながら去って行った。
チクショウ、馬鹿にしやがって。
あの野郎、あんまりにも幸せな人だねって、鼻で笑ってやろうとしたがやめたよ。
奴が幸せならそれでいいじゃないか。ボクは神父なんだから、こういうところで折れないとな。
でもっあーあ。何なんだろうね?
歯に青ノリがついて取れない時のような気持ちだよ。
しかしまあ、気を取り直して行こうかな。
ボクは問題の村へと歩み出した。
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