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ともあれ、長旅を終えようやくこの村に着いた。
レンガ式の家や黒づんだ木製の家、さすがに藁‥の家はないか。
当たり前のように茶色の羽色の鶏が僕の前を横切ってく。
石畳のタイルなんかはありゃしない、地面はどこまでも土と雑草で広がっていた。
汚くも、どことなく歴史を感じる村。
ここは昔仕事で知り合った
友人が村長を勤めている村で、
『』。
‥あぁ、名前はまだつけていないんだったな。
確か「いろいろと考えたんだがなぁ。」
と、この前手紙のやり取りで、村長の彼は言ったがね。
その提案が《ビレッジ》だの、
《八つ墓がなんだの》どれもこれもがたいして捻りないというか、聞いたことのあるパクリばかりな訳だ。
名前考える気無いだろ村長。
彼は、頭は悪くないんだがね、ちょいとふざけた奴なのさ。
奴の説明はおいおいするとして、僕の話を聞いてほしい。
僕は名無しなこの村に、『大事』な用があって来たんだ。
一時の大事ではなく
自分の今後の一生を決めるほどの大事さ。
簡潔に説明しよう。
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