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「んっ?どしたい、神父君だろ?」
「あ、いや。多分そうなんでしょうね。あははっ。」
ボクは頭を抱え、淡々と答える。しかし、赤毛の少女は話を止めなかった。
「あの教会が欲しいなんて、とんだ物好きさ君は。」
彼女は、悪気なさそうにニコニコと答えるが、その笑顔はボクをよりいっそうに不安にさせるんだ。やめてくれ。
村長の野郎に何を信じこまされているのか知らんが、あいつに聞いた奴はボクじゃない。
きっと森に住む妖精かなんかだ。
あんたは、ボクをその森の妖精なんかと勘違いして微笑んじまってるんだぜ。
とんだ人違いだろ?妖精の奴もきっと迷惑してるさ。
だからって、「俺は妖精じゃねぇ!!」なんて大声出してまで、アホなことはボクは言いたくなかったんだ。
なので大人しく、「村長…ラシアの言ったことは忘れてしまって良いですよ。」って言っておいた。
妖精のことはもう忘れてくれ。
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