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「粗茶でございます。」
「あ、ありがとうございます。」
「自家製チーズケーキでございます。」
「えっ、いいんですか?」
「余りものでございまーす。」
ボクは席に座り、出されたものを有り難く頂戴していた。
彼女と何を話せばいいのかはまるでわからなかったが、彼女のチーズケーキが美味いことだけは確かだった。
「…うまいです。」
「うん。」
「チーズケーキでこんなにも幸せを感じるのは初めてです。」
「へへ、大袈裟だよ。黙って食べないと請求するぞ。」
「…はは、それは勘弁です。ボクお金持ってませんからねぇ。この村に来たのだって、使われてない教会を使わせてほしかったからなんですよ。新築する余裕がないから。」
「ふぅん、あんな教会をチョイスするあたりよっぽどの物好き神父さんなのかと期待してたんだけどねぇ。予想と違ったなぁ、若いし。」
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