a LADY お嬢さん

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外はもうだいぶ夕暮れになっていたな。 ボクは、町外れの雑木林を今、女将さんと歩いていたんだよ。 森の木の葉は、枯れ葉に近づき。辺りは既に、落ち葉で埋め尽くされていたな。 森の中に教会があるのか? 「森の中に教会があるとしたら、ロマンチックですね。」 「あははーん、そんな気でいられるのも今のうちだよ。アタシ今、教会に案内してるっていうよりも心霊スポットに案内してる気分だからさ。」 「それは…。」 「でさぁ、けっきょく神父さんは名前何て言うの?」 「えっ!?あぁ、ははっ‥。」 「何笑ってんの?」 「やだなあ神父は神父ですよ。他に名前なんてありやしません。」 「え、マジに名前が神父だったの!?」 「いいえ。」 「ん、がぁっ?何でー、もうどっちなのよぉ!?」 はぁ。 勘弁してくれよ。名前…はな。        
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