a Father 神父

3/10
前へ
/346ページ
次へ
カバンを開き、詰め込んだ荷物をかき分け、カチカチに固まったパンを口に頬張った。 大聖堂からの28日間の旅も もうそろそろ終りだな。 つまり仕事辞めてから、もうそれだけ経ったってことか。早いな実際。 『大聖堂』ってのは、 この大陸の大部分を占めてる宗教団体の大元の名前さ。 その内容は淡白で、くっだらない教えを日に日に大神父の先生方が民衆やボク達に説いてくれてんだけどね。正直やめろって気分になるよ。 学校なんかじゃあるまいしさ。 我らが大聖堂ラファエル創設までの歴史や、国民に何を訴えかけるかなど、トリビアにも劣るような、つまんない話を聞かせてくれるなよな。 ただでさえ人に教えをこうのが欝陶しいのに、よりいっそう憂鬱になるよ。 まあ、魔人や魔法剣の話は面白かったがね。ボクがつまり言いたいのは、聞きたいやつにだけ聞かせたらいいだろ?ってことなんだ。 崇拝者や熱心な教徒は、いっぱいいるし、それに仕事熱心で小うるさい先輩方にだってさ。 ボクなんかに聞かせたりするよりは、よっぽど彼らのタメになるってもんさ。    
/346ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加