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割り引いて考えても、彼がこの手の『黒い商売』に乗り出したと言われても、あり得ないことではない。
そんな噂がささやかれるようになった矢先に、Mカンパニー内で一社員がスパイ容疑で不当に拘束されていると、フォボスに本部がある新聞社、恒星間通信社がすっぱ抜いたのである。
正規の警察組織ならまだしも、一民間企業が自社職員に対してそのような行為にでるのは尋常ではない、と。
前述の黒い噂も含めて、惑連は調査の必要ありと判断した。
こうして、表向きは惑連の人権問題専門調査官という肩書きで、特務所属の『二名』はMカンパニーの捜査にあたることとなったのである。
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