1385人が本棚に入れています
本棚に追加
ホラングからの援軍はモルラング陥落の知らせを聞いて引き返す他はなかった。
ホラング王バセルは家臣たちを集めてボルコへの対応を協議した。
「我らはボルコの力を見くびっていた。もっとはやく敵の動向を察知しておれば、モルラングを失わずに済んだものを」
同盟国を救えなかったことがバセルの心を痛めた。
「これ以上ボルコの進軍を許してはならない」
ボルコに占領されたモルラングの北にはノーラング王国がある。
ノーラングがボルコの手に落ちる前に援軍を送らねばならない。
バセルはホラングに信頼を寄せるすべての国の民を救うため、そして最愛の娘に惨めな未来を残さぬために、強大なボルコに敢然と立ち向かわねばならぬと決意した。
王は将軍ベルハイスに、部隊の招集と占領されてしまったモルラングへの偵察を命じた。
最初のコメントを投稿しよう!