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母ちゃんの声が聞こえる
「起きろ! 火事だから起きろ」
「う~ん……」 起きない僕
「ジョン ジョン」と呼ぶ
母ちゃんの声
「ジョンお座り」 すると
母ちゃんはおもむろに
僕を抱えてジョンの背中に
張り付くように乗せると
寝間着の帯でジョンの背中から
落ちないように
グルグル巻きに縛りあげた
「行って」と母ちゃんが言うと
ジョンはノシノシと歩き出した
…というより駆け出した
僕は生まれつき小さかった
小学校にあがる前の身体測定の
時でさえ98㎝しかなかったの
だからこの時は90㎝も
なかっただろう
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