第一章 さくら

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まだ肌寒い2月上旬。 私の携帯にメールが入った。 ┏━━━━━━━━━┓ 件名:おはようございます⤴⤴ 本文:朝早くごめんなさい💦💦京子さん、今日会えませんか⁉ ┗━━━━━━━━━━┛ 朝の9時。 昨日、仕事仲間の広田と飲んだアルコールがまだ抜けていないのか、少し気分が悪い。 布団にうずくまり、意識がぼんやりしながらも、携帯はしっかり手に取ってメールを見た。 送り主は、3日前に中心部の地下街で声を掛けた18歳になったばかりの女の子だった。 早速返信を打つ。 ┏━━━━━━━━━━┓ 件名:Re:おはようございます⤴⤴ 本文:おはよー。 いいよー😃何時がいい? ┗━━━━━━━━━━┛ 時間と場所を決めるメールのやり取りを何通かした後、携帯を持ったまま、再び眠りについた。 午後2時過ぎ。 京子は既に街中に出ていた。 腰の細いラインを強調させる黒のスーツが、この日の気分らしい。 本人いわく、 『これから会う子、多分仕事の話。私服よりもスーツの方が説得力あるし、信頼感持たせるから。』 だ、そうだ。
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