第一章 さくら

4/12
前へ
/117ページ
次へ
『お待たせ、ごめんねー待たせちゃって。駅に居たんだー』 そう言いながら注文した、コーヒーを片手に京子は席に着いた。 『いえ、大丈夫です』 張り付いた笑顔でメールの送り主、さくらが応えた。 最近、どうなの?とか、 飼ってる犬は元気なの?など、他愛もない会話を京子が振り、さくらの緊張した空気や不安を、徐々に解かせていった。 まぁ、運動の前の準備体操みたいなもので。 本題に入る前にと、京子は場所移動の提案をした。 お腹空いてないか?の問いに、さくらは遠慮がちに太るんで…と呟いたので 『私、朝から食べてなくて。付き合ってよ。』と言い、京子は強引に連れてってしまった。
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

771人が本棚に入れています
本棚に追加