第二章

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そうだ、部屋を探せば何か分かるかもしれない。 俺は自身の手がかりになりそうなものを探そうと、 辺りを見回した。 部屋は物が散乱していて、空き缶、ペットボトル、脱ぎ捨てたのであろう衣服、マンガなど色々なものが散らばってはいるのだが、財布や携帯、もしくは手帳や通帳など個人情報に繋がりそうなものは不自然な程何も見付からなかった。 本当に俺は誰なんだろう? 疑問はだんだんと不安に形を変えた。 「記憶喪失、ってやつなのか…?」 よくよく考えてみれば、自分の名前どころかそれ以外の何もかも思い出せない。 この部屋ですら初めて見た気がする。 どうすべきだろう? 外に出て会った誰かに、自分は記憶喪失です、と言ったところで知り合いじゃない限り頭のおかしな奴だと思われるだけだろう。 動かないのが得策なのか? しかし誰か知人が訪ねてくる可能性が有るのか無いのかさえ分からない。 俺は…。 選択肢 1⃣:ここに居ても埒があかない。外に出よう。 2⃣:いや、落ち着くまで動くのは危険だ。もう少し考えてみよう。 3⃣:そうだ、鏡で自分の顔を見れば何か思い出すかもしれない。
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