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「蹴られた砂」
静かな世界を
手に入れた
年中火傷する
激しい恋人の炎に
焼かれる世界とは
真逆の水の底
優しい人達だけを
集めました
口数がへれば
気付いて気遣うようなそんな人々を
でもそれはきっと
水の底で見た地上の幻
僕は貝殻の中で眠るだけ
泡を一つ一つ噴出して見上げれば
浮かんでいく
私と別れたあの人は
私がいなくても平気なのかしら
マリンブルーに
ミルクがぼやけた
冷たい冷たい
海の底
寂しいけど心地よい
若い男女が歩いていても
幸せになれよって
背中をきって
扉を開き続けたなら
いつかは海底から
抜け出して
あの娘の胸で眠る幻覚とまやかしと盲信の最中で
蹴られた砂のようになりたい
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