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「大きな船」
一緒に食事をとる
みるみる頬が薔薇色に染まるのに
平然と話し食事をとる君
砂浜で横に座る
爽やかな潮風のせいですか
君が僕の顔を見ることができないのは
ああ…また薔薇色…
そして双瞼に焼き付いた藍色の海
まるで美しい青い石のように切れ目のない水が固まっている
船は
とても白くて雄大で
あんな向こうにあるくせに
ああ…まるで
目の前に立たれているかのようです
焼き付けよう
焼き付けよう
この二つの目玉に
この輝石を固めよう
君の闇を祓えば
私はもうじき居なくなる
君の心から消えてなくなる
寄せた波が海へ帰って行くように
泡として最期の時を見つめながら
僕たちは船に乗っていたんだと思います
そして何処かへ辿りついたんだと思います
船旅は終わったはずなのに何故でしょうね
錨が私という陸地を離れない
繋がれたまま
思い出に繋がれたまま
どうしていない者の名を叫ばねばなるまいか!
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