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「ソレイユ」
桜が散るさまを眺め
胸の痛むままに
黒い少女を失った哀しみを何ヵ月も歌い続けると
天使が舞い降りた
まるで彫刻のような
美しい美し過ぎる女性が
隣にいつの間にか座り込み
肩に手をかけられ
顎を持ち上げられ
迫られたのです
夢かと思います
まだ信じてはいないんです
彼女とは一言も言葉をかわすことなく出会い別れていきました
私がつけた名は『水』
水のように自然に流れてきて海へと帰って行きました
彼女とは詩で会話したのです
詩で恋を…したのかもしれないです
慰めの歌から始まり
やがて分かり合う歌
距離がみるみる縮まって…でも…
途中で僕は
欲望のまま
彼女を貪るのはダメだと思った
憐れみからかもしれないが明らかに彼女は善意から私を慰めてくれたんです
みるみる塞がる傷を見ながら
ああ…この愛しい人を天より授かった無垢で透き通った魂、水を地獄へたたき落としてなるものかと
黒い少女と同じ目に合わせてなるものかと
色男を気取る蝶を演じたのです
女は皆好きだと
だから許せと
彼女は去っていきました
どれだけ彼女を苦しませたでしょうか
愛する人を欺くのはどれだけ罪深いことなのでしょうか
選びとった孤独に
意味はありますが
どれだけ満足を得るのか
どれだけ哀しめば
虚ろな瞳に光が戻るのか
そもそも私は未熟なんです永遠に
男になりきることはない
黒い少女のことも聖戦が勃発したから出兵しただけであり
それも演技でした
本当は臆病な小さなネズミです
王子さまにはなれないよ
木陰や大きな葉っぱからそっと
綺麗な女の人に
憧れているだけの
端役脇役なんです
自分の器くらい知っているんです
つまらない男だから
何もなければ
飽きられてしまうから
いつも理由が必要
理由があるから
誰にも認められなくても誇れるんだ
本当は本当はね…
一通のメールだけでも受け取れたら
どんなに幸せだったか
あなたがくれた
癒し慈しみを
返せたなら
どんなにか
でも
まわりがどう思おうと欲望や渇望に満ちているからといって
孤独を満たすために苦悶の塩水が肺まで届いているからといって
愛しい愛しい
恩人を
地獄の底無し沼
に引きずりこむほど
俺は腐っちゃいないんだよ
ソレイユには届かない
あの輝かしい太陽を
汚してしまうくらいなら
誇り高き孤高の死
孤毒の杯を
涙してあおる
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