彷徨

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「Stack Takaha-重ね鷹羽-」 仲間達を楽しませて 盛り上がったところでコッソリ抜けて 暗い水溜まりに雨が落ちる 昔から人を楽しませるのは得意だが この頃は無性に独りが欲しくなる 黒いギターを右手にポツポツとかき鳴らせ 胃カメラを飲んだとき そばにはいられないけど一生懸命弾くから 世界でただ一人 大したことのない男の大したことのない痛みに 悼むメロディー 涙と涎でグシャグシャになった診療台で 君のギターを聴いた 二人とも珍しく好きだったバンプの天体観測 暗い水溜まりに 落ちてゆく 悼むメロディー 幾らかき鳴らしても 君どころか 俺にさえ届かない 頭を抱えたそのときに 高い男のロックが聞こえた グランドキャニオンさえ超えられる大きな歌声をお前に届けたい 届きそうもない緋色の夕日だって 馬がなけりゃロバに乗って 片意地張るなよ 慌てなくていいんだ いつかは届く 雄大な広大な お前だけのrock&heart 呆れ返るような真っ赤な太陽と 笑っちゃうぐらい輝いている地平線に 虚しさや疲労困憊の砂埃を振り払える 誇高きエンブレム 風に乗り 空を裂き 乗り越えてみせろ 疾風の如き Stack Takaha
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