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「で、何であんたらは騒いでたんさ?」
あれから五人がかりで土方の機嫌を落ち着かせた。
土方は今部屋の隅で刀の手入れをしている。
ぶっすりとした顔で。
そして、沖田から茶の入った湯飲みを受け取りつつ藤堂は話を切り出した。
沖田は「ああ」と言い、ゆっくりと腰をおろす。
次の瞬間沖田から発せられた言葉に、五人はしばらく沈黙した。
「土方さんでば、額に“肉”って書かれただけで、怒ってきたんですよ。それだけの事です。まったく器の小さい人ですね」
そして五人は同時にこう思った。
(((((幼稚っ!!!!)))))
と。
部屋の隅で土方の刀がキラリと光る。
原田と山南が慌てて土方の刀を取り上げた。
土方は尚も青筋をたてて沖田に怒鳴る。
「ったく誰が“肉”だ!」
「ごめんなさいっ」
「可愛く言ったって無駄だぞ!!」
「総司も大概ガキだが、お前も相当だな、歳三」
「ああ"?!!」
いつまでも言い合う二人に呆れたのか、近藤が口を挟んだ。
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