土方歳三の1日

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藤堂は顔を輝かせると、原田に譲ってもらった茶をすする。 「ところでトッシー」 「ん?」 「この袋、なに?」 沖田がちゃぶ台に置かれた包袋を指差す。 もとから機嫌の良かった土方は微笑みを浮かべていたが、それを指摘され、ついに満面の笑みを浮かべた。 「ああ、それか。恋文だよ、総ちゃん」 そう言いながら、煙管から口を離した土方は盛大に白い煙を吐く。 一方の土方の目の前にいた四人は、ピシッと固まった。 「「「…き……っ… 気持ち悪っ!!!」」」 「誰か湯持ってこい、湯」 近藤の湯飲みが震え、沖田・藤堂・原田が部屋の隅に逃げ込む。 「どうした皆。なぜそんな所へ行く。そうだ。ちょうど良かったぜお前らが居てくれて。これ曰野の仲間に送るんだけどよ、手伝え!」 土方は笑顔でそうまくしたてると、沖田の腕をがしりと掴んだ。 .
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