ハジメに

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 逃げ出したら  きっと明るい未来を見れると思った。  だけど…  何もかもが足りなかった。  作り笑いも 出来ない…  泣き方が 分からない…  声すら…  言葉すら…  記憶すら無くなって。  産まれたての 赤ん坊みたいだった。  目に見える 全てが怖かった…  テレビすら見れなくて  家族の言葉も  友達の言葉も  自分すら 受け付けない。  点滴で栄養を  薬で睡眠を  カウンセリングの話も  右から左で  何の意味も持たない。  ぁたしゎ機械よりも  人間に遠い…  生きながら 死んでいた。  
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