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「っ……!!」
バチンッ
乾いた音と共に弾かれたユーリの手。
ユーリは何故手を弾かれたか解らないと言う表情を浮かべて、弾いた本人である僕を見つめている。
当の僕はと言うと…
「…はっ…ふっ…」
浅い息を繰り返し、発育不全な体を小さく折り畳んで、包帯のされてない体を片手で抱くように巻きつけて、もう片方の手は顔の左半分を隠す包帯を必死に守るように握り締めていた…
ごめんユーリ…
顔の包帯の下は、君でもまだ見せられないみたいだ…
ユーリは僕の状態を見て察してくれたのか、宙をさまよわせていた手を下ろし、視線を外して「ごめん」と呟いてくれた。
そのユーリの声で漸く僕は冷静さを取り戻し、ゆっくりと息を整える。
「僕もゴメン…体の包帯大丈夫だったから油断しててサ…まだ…ここは無理みたいダ…」
何とかいつものように笑って見る。
でも顔の左半分を覆う包帯を握っていた左手はカタカタと震えていた…
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