古の月

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「ぁ……ぁあ…」 カタカタと膝が笑う 本当に一瞬の出来事だった いつも両親を連れて行くワーウルフ達 家に入ることなど無かったのに 部屋に無駄で入ってきて 『…っ、逃げろスマイル!』 父さんの叫びが聞こえた筈 でも数秒もせずに グシャリと父さんの体が崩れ落ちた ジワジワと広がる血の海 その中に倒れた 原型を留めぬ程に潰れた『ソレ』 母さんの悲鳴は途中で握りつぶされて 顔に母さんの暖かな血が飛んできた   なぜ? 父さんと母さんは命を守るためにこいつらに身を差し出したのに 今目の前で起きてるのはなんなの? 顔に落ちる影 伸びてきたワーウルフの腕 ――逃げろスマイル!―― 父さんの声がボクの意識を揺さぶり起こす 元々小柄で身軽だったボクは、弾かれたように走り出し、家を飛び出した
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