古の月

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小柄で身軽といっても基本的な体力は皆無に等しいボク 走って走って 逃げる、けど… 後ろから迫る殺気がボクの足に絡まり思うように走れない 「はっ…はっ…」 振り向いちゃ駄目だ 振り向いたら『最期』 待つのは『死』と言う名の永久の闇… 刹那頭を襲う鈍痛 地面に叩きつけられたボクの体 ゾワリと足から頭へ駆け上る恐怖 『お、こいつよく見ればまぁまぁ可愛いんじゃないか?』 『おい、こんなガキに手出すのかよ』 『別に良いんじゃねぇか?結局誰かに使役されるしか生きれねぇ弱い生きもんだ』 『どうせ殺すなら楽しまねぇとな』 下卑た笑みを浮かべたワーウルフ達 ボクの体はそのワーウルフ達の腕と恐怖で動かず ただその声を遠く、耳鳴りのように聞いていた 「ふっ…う゛ぐっ…」 体を襲う痛み 体の奥に叩きつけられた熱と杭 傷つけた方が具合が良いと何度も切りつけられた体 色違いで気持ち悪いと穿たれながら片目を抉り取られた 自分の血の香りなんて嗅ぐことなんかないから鼻にこびり付くみたいで不快で気持ち悪い
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