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吸血衝動が収まってきたのか、牙を引き抜きその傷口とあふれる血を、惜しむように舌で舐めとる。
その行為に僕の体はビクッと反応し、舌の感触に思わず声が出そうになる。
「大丈夫か?スマイル」
「ん…僕は平気だよ~♪」
お互い笑いあう光景
端から見れば仲のよい恋人のように見えているのだろう。
ガタンッ
部屋の入り口付近で聞こえた物音。
元々物の少ないユーリの城。そしてここはユーリと僕しか知らない吸血のためだけに存在する部屋。そのためアッシュはこの部屋の存在を知らない。
そんな部屋に響いたその音に驚き、入り口を見る。
さっきまで閉じられていた扉が、ゆっくりと音も立てず開かれる。
そこにはこの行為を見られたくなかった二人、アッシュとポエットが立ち尽くしていた…
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