狂い咲きの月

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「あの時約束したじゃないっすか!スマを守るのに見返りを求めないって!仲間なんだから当然だって!」   アッシュは人狼特有の殺気を纏い吠える。 「いいんだヨ、僕が吸って欲しいってオネガイし…」 「じゃあアッシュ、お前がスマイルの代わりに血を吸わせてくれるのか?こうしなければ、罪のない者の首筋に噛みつかねばならんが」   僕の言葉を遮るように言葉を発したユーリ。 これしか方法が無いのだとしらしめるように言葉に冷たい雰囲気を纏わせる。   でもね、知ってるんだよ?     ユーリは今まで人に牙をむけたこと無いって。 眠りにつく前は、色々な伝を使って輸血用の血液を横流ししてもらっていたって。   僕の血を飲むまでは、暖かい血の味を知らなかったって…     眠りから覚めてからは、ずっと飢えと渇きに耐えてきたって…
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