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でも会いたい衝動に勝てるワケもなくて、自分で保健調査表持って放課後保健室に行った。
いつも軽い扉がなんだか重くて…
『幸先生…保健調査表置いとくね…』
『妃菜?』
『はい?』
一瞬ドキッとした…
先生は殆んどの生徒を、あだ名で呼ぶのを知ってるクセに、嬉しくて涙が出そう。
でも、そんな顔見られたくなくて保健室を飛び出した。
またこの日から保健室への足が遠退いて…
それでも毎日刑事か探偵のように先生を探してた。
何故か最近昼休みに先生が保健室を出て行動してて、目にする日が増えたから、余計好きになって…
それでも夏休み…
明日から全く会えない日が始まる。
終業式が終わって短いHR…
教室の窓からずっとカーテンの閉まってる保健室を眺めてた…
たまに揺れるカーテンは先生が居ると分かって、目が離せないままいつの間にか、教室に私しか居なくなっていて、ため息ついて家に帰って…
長い夏休みの始まり。
先生を見れない日が1日…また1日と無駄に過ぎていく…
夏休み5日目。
朝から制服に着替えて部活に向かうけと、別に何をするわけでもない幽霊部員。
ただ目的は部室じゃなくて保健室。
居ないことは知ってたけど、何と無く先生が居た空間に行きたかっただけ…
職員室で鍵盗んで保健室に入って、誰にも邪魔されないように鍵を掛けてベッドに向かった…
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