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「集落を出ていけ」
オオカミ族の長『シラカミ』は、数匹の若者に向け静かな声で言った。
満月の綺麗な夜の話。
「……ああ、出てってやるよ。こんなクソ集落、こっちから願い下げだ」
若きオオカミ達のリーダーである『ハクト』。
彼は睨みつけてくるシラカミの威圧感を無視するかのように睨み返し、怒りを露わに言った。
「てめぇら、さっさと行くぞ」
月明かりの下、オオカミ族の集落から離れていく幾つかの影。
……平和に迎える、最後の夜の話。
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