〈記憶〉

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春。 次の小学校は創立されてからまもない、新しい学校だった。新しいと分かった理由は、新校舎に温水プールがあったから。 でも泳げない私にはなんのメリットもなかった。 始業式の日。 私は新しい教室に入った。 するとこんな声が聞こえた。 「あの子誰!?超かわいくない?」 声のする方を見た。その人も可愛い娘だった。 この一言が、私にもう1人の親友を増やしてくれるきっかけだった。 彼女の名前は登記子。今でも仲良しだ。頭も良いし、運動もできる。かわいいし、非の打ちどころが無い子だった。 その他にも良い友達に恵まれたし、それなりに楽しくすごした。 でも、私の頭の中には龍平がいた。 「もう忘れたかな? 元気かなぁ?」 私は登記子に龍平の話をしていた。でもさすがに小学生。 軽い感じで、会話はいつも終わっていた。
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