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「…あッ…、カリオペ………。」
アーネストは、ばつが悪そうに、カリオペを見つめると、崩れるように椅子に座った。
「なんです?悪い夢でも見ましたか?」
とカリオペは尋ねると、侍女から、温かい紅茶が入ったティーカップを受け取り、主人の目の前に置いた。
主人は、私の行動一つ一つに怯えているかのように、目線を下げたままだ。
しばらくして、思い切ったように、口を開いた。
「居眠り…しちゃったから、カリオペ…怒ってるよね?ご…ごめんなさい。」
アーネストは、消え入りそうな声で、カリオペに謝ると、目の前に置かれた紅茶を怖ず怖ずと口に運んだ。
主人の落ち込み様に、笑いが込み上げてくる。
「もういいですよ、怒ってなどいませんから。」
カリオペは、ニッコリ笑うと、苺のタルトを切り分け、アーネストに差し出した。
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