第一話 静かな海になびく風

2/6
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「依頼場所はX-153-JTか。またわかりにくい所を選んだな…。」 太平洋の上を1機の戦闘機らしきものが飛んでいた。 「さてと、今度の依頼はどんなのかな?」 中の人物は呑気に口笛を吹いている。 今日の海は穏やかだ。なにもかも受け止めてくれそうなくらいに。 日も程よく照っており、素晴らしい気候だ。 そうこうしているうちに目的地へと到着した。 そこには一人の老人が立っており、後ろに黒塗りの車があった。 戦闘機から降りたのはまだ16くらいの少年だった。 「依頼を請けてきたものだ。」 「お出でいただき、ありがとうございます。こちらへどうぞ。」 老人は少年を車の方へ案内した。 しかし少年は動こうとはしなかった。 不思議に思った老人は、 「どうなさられたのですか?」 といった。 しかし少年は老人を睨むと言った、 「じゃあその草むらで銃を構えている8人と、木の上で銃を構えている2名をどうにかしてもらおうか。」 すると老人は 「流石ですね。兵士には出て来るように言っておきます。」 「俺の実力を測るためか?」 「すみませんね、ご無礼をお詫び申し上げます。気分を悪くなされないでください。」 すると少年は、笑って言った。 「まぁいいだろう。」 「ありがとうございます。『最強の傭兵』の弟さん、いや、ロウナ・暁・ウミさん。」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!