第二章

4/11
7060人が本棚に入れています
本棚に追加
/332ページ
‐―…あれは去年の夏の全国大会の決勝…… スコアは1対1の同点。 後半は皆、死ぬ気で頑張ってたんだ。 「いけーっ!!マーク外すなよっ!!!」 「行かすかあぁぁあっ!」 だが、結局、相手に1ゴールされ…………2対1で負けてしまった。 俺らは2年で、まだ来年もあるって分かってたのに………涙が溢れて止まらなかった。 「くそっ!俺があそこでミスさえしなければ………」 と、会場の裏で涙を流していた。 すると、目の前にハンカチが差し出される。 「……?」 俺は何だ?と思いながら顔を上げた。そこには…………… …………この時は名前も知らない、早姫に出会った。 この時、俺は早姫に一目惚れしたんだ。 「あ、あのっ!これ…………使って下さいっ!!」 と、ハンカチをぐいっと俺に押し付ける。 「ありがとう…」 「いいえっ!あ、ハンカチ、返さなくていいですので!!失礼しますっっ!」 そう言って早姫は帰っていった。 「ハハッ、やべぇ、俺…………」 …―‐俺はあの日のことを忘れたことはなかった‐―…
/332ページ

最初のコメントを投稿しよう!