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‐―…あれは去年の夏の全国大会の決勝……
スコアは1対1の同点。
後半は皆、死ぬ気で頑張ってたんだ。
「いけーっ!!マーク外すなよっ!!!」
「行かすかあぁぁあっ!」
だが、結局、相手に1ゴールされ…………2対1で負けてしまった。
俺らは2年で、まだ来年もあるって分かってたのに………涙が溢れて止まらなかった。
「くそっ!俺があそこでミスさえしなければ………」
と、会場の裏で涙を流していた。
すると、目の前にハンカチが差し出される。
「……?」
俺は何だ?と思いながら顔を上げた。そこには……………
…………この時は名前も知らない、早姫に出会った。
この時、俺は早姫に一目惚れしたんだ。
「あ、あのっ!これ…………使って下さいっ!!」
と、ハンカチをぐいっと俺に押し付ける。
「ありがとう…」
「いいえっ!あ、ハンカチ、返さなくていいですので!!失礼しますっっ!」
そう言って早姫は帰っていった。
「ハハッ、やべぇ、俺…………」
…―‐俺はあの日のことを忘れたことはなかった‐―…
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