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「ナナ?」
声をかけると掠れて震えた声で一言。
「…も…無理」
幼なじみ何年もやってきたけど、そんなナナの弱々しい声を聞いたのは初めてだった。
俺はそこまでお前苦しめてたの?
…気付かなかった。
「わかった…。じゃあな」
本当は納得いかないけれど、これ以上泣かせたくないって思いのほうが強くて俺は部屋に戻った。
ナナならいつかわかってくれる。
俺のところに戻ってきてくれる。
だってなんだかんだ言って、いつもナナは俺の傍にいてくれたから。
俺がナナの一番だよ。
でも、その俺の考えは甘かった。
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