最後に

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社長は、会社の代表として、会場で挨拶をした。 「私達の仕事は、地味で馬鹿にされる仕事です。それでも、彼は、安全の為に全力を尽し、文句も言われながら頑張って来ました。こんな結果になったのは、本当に残念で、悔しいですが、彼を通じて、警備と言う仕事に、関心を抱いて下されば、彼も幸せだと信じています。命の尊さ、警備に対する危険さを、身を持って教えて頂き、彼の死を、決して無駄にはせず、我々も、安全に対して全力で取り組みますので、皆様の、ご協力とご理解を頂きますよう、心からお願い申し上げます。そして、運転の怖さを痛感して頂き、悲惨な事故を無くす為にも、皆様が安全運転をして頂けるよう、重ねてお願い申し上げます。」 社長の挨拶は、声のトーンは押さえていたものの、悲痛の叫びに聞こえた。こんな悲しい事故は、絶対起こしてほしくないと言う、心の奥底からの願いであった。
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