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しかし、入った時期が悪かった。
今は8月。真夏である。気温は37度を超える毎日。アスファルトからの照り返しで、体感温度は更に上昇。
暑さが体力を奪う。しかし、警備員にとって、休憩は許されない。まさしく、灼熱地獄の中で、野放しにされた状態である。
集中力も欠け、喉も渇き、倒れると覚悟した事もある。今、彼にとっては、全てが苦痛な試練であった。
しかし、彼は、どんなにきつくとも、仕事を辞める事は考えなかった。何故ならば、上司に言われた言葉が悔しく、絶対に見返すと、自分の中に決めていたからである。
凄いと言うのか、悪く言えば、馬鹿と言うのか…彼の根性は大したもんだ。
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