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「それじゃ、話すぞ」
「あぁ」
空中から机に下りてきて座るアゼル。
周りから見れば、机に座る珍しい姿の猫、さらにその珍しい猫を真剣な眼差しで見つめ話を聞き入る三人の様子はとても奇妙に映っているに違いない。
「俺様達が悪魔が代償として肉体をもらうのは基本的に悪魔の力を直接使用する場合だ。例えば、悪魔を完全に具現したりなどの使い方がそうなる。逆に悪魔の力を変換し、使い手の力にしてから使用すれば、代償をもらうことはない。つまり、魔力の間を作るんだ」
「……なるほど」
「そんな方法があるんだ」
とても興味深く話を聞き、納得しているルーティとシーフェ。
一方、エイビドゥは先ほどよりも口が大きく開き、呆然というよりは、もはや、完全が思考停止しているかのようなアホ面で固まっていた。
「わからんのかい……?」
アゼルがそう聞くとエイビドゥは静かに大きく頷いた。
「えーとだな……体使えばいいんだよ。お前自身のな、簡単言えば俺様の肉体をお前が一時的に取り込んでしまえばいい。例えば、お前に翼がはやしたり角をはやしたりだ」
アゼルは本当に悪魔かと疑えそうなほど安易で考えれる説明をしてくれていた。
流石のエイビドゥも理解出来たらしく、手を叩いて納得していた。
「……かっこいい!! 角とか翼とかバリかっこいいし!! しかも、あれだろ? それなら、体はパクられないんだろ。一石二鳥じゃん。やったー問題解決。つか、むしろ最高!」
エイビドゥのあまりの楽天的思考回路に一同は呆れ返って言葉を失うどころか頭を抱えた。
「あー……一応、これにもデメリットはあるぞ」
アゼルが思い出したように呟いた。
「何、何ー?」
すっかり安心しきって、はしゃいでいるエイビドゥ。
「あまり、長い時間同化してた場合、分離出来なくなってより強い魂を残して片方の意識は消える。俺様とお前なら十中八九、俺様の意識が残る」
「…………うっそーん」
エイビドゥは一瞬で血の気が引いて顔が青くなった。
他の二人は“やっぱりな”と、デメリットを予測していたと思われる風に苦笑いを浮かべていた。
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