*君しかいらない*

姫。

その人物は、恐ろしく綺麗なオーラをまとっていた。

金に近いサラサラの茶髪に無数のピアス。

華奢な体からのぞかせる長い手足に

くりくりの大きな瞳…

メイクなのか、唇が濡れたように輝いて

僕は思わず息を飲む。

｢あー!!姫ー!!｣

サクの声が教室に響き、それをキッカケに教室がざわつく。

――彼女が…姫？

その吸い寄せられそうな妖艶な瞳が気のせいか僕を見つめているように感じたが……

気のせいだろうと、

彼女から視線をはずした。