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彼女と握手をし、微笑み合っているとふと受付の電話が鳴った。
『ちょっとごめんなさいね』
彼女が電話に出ようと、握手している手を離した瞬間、秋葉は言いようのない寂しさを感じた。
彼女の手を握っていたい…。
握手しただけで、彼女の優しさが伝わってくるような柔らかな感触に、もう少しだけ握っていたい気がした。
電話は海外の取引先からのようで、奈美は流暢な英語で応対している。
(あ、私も仕事に戻らなきゃ)
ふと現実に戻された秋葉は、軽くお辞儀をして、役員フロアから退散した。
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