709人が本棚に入れています
本棚に追加
ネルがグリードに言った瞬間。アリスは額に冷や汗を流しながら、フェルの手を握って走り出していた。
「グリート~後は任せたわよ」
アリスは、グリートにグッと親指をたて、後はまかせたと言った顔で逃げ出してしまった。
「おい………。ふぅ~。あそこで今現在、水矢の呪文を唱えているのが、俺達と同じ三年生のクリアス=ガーネット 水(リース)科。全ての科の中で一番の魔力の持ち主だ」
グリートが肩にある大剣を取り出して構えると、
「グリートさん……もしかして"雷大剣グリート"ですか?」
ネルが目を輝かせてグリートに言った。
「あぁ。俺は三年生雷(ライン)科。一応、この学園ではアリスの次に強いらしいな」
グリートはネルを振り向いた。ネルの方は、今の危険な状況に戻り、顔を青ざめながら、真っ直ぐ前を向いていた。
「って言うか、1、2、3、45本!?無理。死ぬ。あんな多い水矢見たことないよ」
ネルがグリートに慌てながら言っていると―
「暴走したらあいつ止まんないからな。ネル君!あいつには身長の事はタブーだ!分かったな!」
グリートがネルに真剣な顔で言った。
「は、はい……って言うか……(クリアス先輩って、怖いです)」
ネルは返事をしてから心のなかで思った。
最初のコメントを投稿しよう!