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すでにあっちの方から呪文が聞こえてきた。
「水の精霊よ、我に従え、水矢射て」
クリアスの呪文言葉の合図に水矢の矢がネルの方向に真っ直ぐ飛んできたのである
「ヤバいですよ、グリートさん」
ネルはグリートに言った。グリートは真剣な顔で―
「ネル君。覚悟しといた方が良いぞ。昔にも誤って言ってしまったことがあるんだが……その時は全治1ヶ月の怪我ですんだな」
軽い口調で言って、グリートがネルに《頑張れ》と言っているかのような顔である。何故に大剣出しているのか……まったく理解できなかったネルである。そんな事を思っている間に水矢はネルの3m近くまで接近していた。
「やるしかないか」
決心したネルは2つの鞘から武器を出した。
「汝、風の精霊の下、力を従えん《風陣殺剣斬》」
双剣の周りに強烈な風が起こしネルは力強く水矢に向けて技を放った―――
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