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絵になるとはこの男の事を言うのだろうか。
八頭身にバランスいい体格、服や装飾品のセンスもなかなか、すれ違うものが振り返るのも納得する。
昼間とはいえ、客引きをする娼婦すら声をかけにくい。
何よりもこの世の物とは思えない雰囲気を漂わせているからだろう。
丁度五階建てくらいのテナントビルの間に男の向かう場所はあった。
「おはよう、客はもうきてるぞ。」
短髪のまだ二十代前半と思われる若い男はグラスをふきながらそう言い放った。
入るなりかけられた第一声。
男は軽く頷くと綺麗に配置されたテーブルの間を抜け、足を止めると視線を奥のテーブルにうつす。
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