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1561年、戦国時代―。
天下統一を目指し各地の大名たちが次々と名のりをあげた。
その大名の中の一人、越後の上杉謙信のもとに一人の浪人が仕官を申し出た。
彼の名は月影四郎。
謙信はこの浪人をめしかかえた。四郎は謙信の為に、ひたすらに働き続けた。
そんなある日、謙信から呼び出しを受けた四郎は、謙信のもとに向かう道中、一人の老人とすれちがった。
「みつけた‥‥‥」
すれちがいざまに老人がつぶやいた。四郎が振り返った瞬間、老人が四郎の額を指で突いた。
「うっ!」
額を指で突かれた四郎は体が硬直し、動けなくなった。
「な、何をする!」
四郎は体を動かそうとするが動けない。
「お前の体はこの私がもらった」
老人の声が若い男の声に変わっていた。
「な、なんだと!?何を言っているんだ!?」
四郎は必死に動こうとするが動かない。
「お前はなにも知らなくていい。私がお前の体をもらうからな」
老人がそう言うと、老人の目から四郎の目に向かって青白い光がとんだ。すると二人の体がけいれんし、しばらくして老人はたおれた。
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