【序章】戦いの幕開け

5/6
前へ
/123ページ
次へ
「まってくれよ。なぜ俺なんだ?」 誠十郎は娘を立たせた。 「貴方の体には、鬼が眠っています。その鬼の力を使えば、妖魔を探すことができます」 「お、鬼って‥‥」 誠十郎が言葉につまると、娘が今度は額当てを差し出した。 「それを頭につけてみて」 誠十郎は言われるままに額当てを頭につけた。 「うっ!」 その瞬間、頭に激痛がはしり、体からはどんどん力がわいてくるのがわかった。 「こ、これは‥‥!」 誠十郎が自分の頭をおさえると、突起物があった。 「その額当てをつけると、鬼の力が解放されるのです。頭にある突起物は、鬼の角です」 「お、おれの中に鬼が‥‥‥」 誠十郎は言葉を失う。 「鬼の力が解放されているときだけ、妖魔の姿をみることができます‥‥。おねがいです!どうか、妖魔を‥‥‥!」 娘がそう言うと、誠十郎はうなずいた。 「わかったわかった。俺にしかできないんだったらやってやるよ」 誠十郎はやけになった。 「とりあえず、このことをお館様に報告してくるよ。娘‥‥名は?」 「私はお鈴。すずと呼んでください。お手伝いします」 すずは頭をさげた。
/123ページ

最初のコメントを投稿しよう!

156人が本棚に入れています
本棚に追加