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どうせ彼女も、みんなと同じように離れていくだろう。
そう思っていた。
だけど、彼女は俺から視線をはずし…再びタンポポに目をやった。
俺のことを気にしないで…そこにいた。
――珍しい。
みんななら、すぐ怖がって逃げるのに、この人はこの場から動こうとしない。
それどころか、怖がってなどいないように見える。
雷芽「……あ…あの…」
俺はなぜか声をかけていた。
なんだろう…?
俺は《期待》しているのだろうか…?
もう一度、彼女は俺を見た。
よく見ると…瞳がうっすら緑色。
綺麗だと思った。
「…なんですか」
彼女の声は、繊細で…それでも暖かみのある声だった。
その声になぜかドキッ…とする。
それが、彼女との出会い。
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