103人が本棚に入れています
本棚に追加
雷芽「…君は…?」
声をかけるだけでものすごく緊張する。
だけど彼女は相変わらず無表情。
「…たんぽぽ。
名前がたんぽぽって言うの。1年生…」
たんたんと説明だけしてくれた。
彼女――たんぽぽは、怖がっているように見えない。
たんぽぽ。
…珍しい名前だ。
だけど、何でこの人も授業サボっているのだろうか?
こんな――怖がられない存在が。
そう考えにふけっていると…沈黙が生まれた。
それを壊してくれたのは、彼女だった。
たんぽぽ「あなたは――確か、雷芽で合ってるかな」
…知ってるんだ。
正直俺はあまり驚かない。
だって俺は…“怖い”と有名だからな。
雷芽「あぁ、そうだよ、雷芽。たんぽぽ――さん」
たんぽぽ「“さん”はいらないよ、雷芽」
今日は驚きっぱなしだ。
俺、同級生に初めて呼び捨てで呼ばれた気がする。そんな度胸、誰にもないからな。
本当にビックリだな、こいつ。
最初のコメントを投稿しよう!