2🎀 気持ち

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雷芽「…君は…?」 声をかけるだけでものすごく緊張する。 だけど彼女は相変わらず無表情。 「…たんぽぽ。 名前がたんぽぽって言うの。1年生…」 たんたんと説明だけしてくれた。 彼女――たんぽぽは、怖がっているように見えない。 たんぽぽ。 …珍しい名前だ。 だけど、何でこの人も授業サボっているのだろうか? こんな――怖がられない存在が。 そう考えにふけっていると…沈黙が生まれた。 それを壊してくれたのは、彼女だった。 たんぽぽ「あなたは――確か、雷芽で合ってるかな」 …知ってるんだ。 正直俺はあまり驚かない。 だって俺は…“怖い”と有名だからな。 雷芽「あぁ、そうだよ、雷芽。たんぽぽ――さん」 たんぽぽ「“さん”はいらないよ、雷芽」 今日は驚きっぱなしだ。 俺、同級生に初めて呼び捨てで呼ばれた気がする。そんな度胸、誰にもないからな。 本当にビックリだな、こいつ。
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