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こんなたんぽぽを見ていると――いろいろ訪ねてみたくなる。
不思議なやつだから…かもしれない。
雷芽「…なぁ、お前は俺が…怖くないのか?逃げないでいてくれるのか?」
他の人と違う…こいつが気になって仕方がなかった。
みんなは怖がって、俺から逃げていた。
だけど、たんぽぽは怖がりもしないし…呼び捨てで呼んでくれる。
本当、変な奴。
だけど――本当は怖かった。
もし、彼女まで拒絶したらどうしようか。
それこそ俺は立ち直れないだろう。
サァーッ…と風が俺らの髪を揺らし、地面に咲くタンポポを揺らした。
そして風に合わせて彼女は…無表情のまま、一度だけゆっくりと頷いた。
タンポポが揺れるのに、合わせるように。
彼女が、このタンポポと同じように。
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