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『おいお前らうるさいぞ!』
『すいません!!』
『お前等なぁ!今年受験なんだから授業ぐらい真面目に受けろ!他の子等の迷惑にもなるんだ!』
その日は夏休みが間近に迫った何気ない日だった。
言わずと知れた学校生活での最大のイベントの前にいつも騒いでいる奴らはもちろん、普段大人しい奴も授業に身が入らないのは誰もが予想出来ると思う。
ちなみにこの口やかましい頭のハゲあがった先生は村田という。
『高い金を払って塾に遊びにいくよりタダの学校で真面目に勉強したほうが全然いいだろ!?』
なんて事言いやがる…
悔しい事に正論なのが腹立たしい…
『うるせぇな…』
ぼそっと小声で漏らしたこいつは水野大志。おれといつもつるんでいて、常にバカな事ばかりしている。
『ん水野ぉ!聞こえてるぞ!』
こんな他愛もない事で頭にきたのか、声が裏返りながら叫んでいた。
あぁうるせぇ……
『先生聞こえたんですか!普通聞こえないですよ!!』
『ふん!ワシの耳をなめるなよ!』
『誰がそんな物!めちゃくちゃ油ぎってるじゃないですか!!汚すぎますよ…なぁ翔太!?』
『おれに振るな!!』
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