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木が道路に沿うように立っていた
そこの間から…
笑っている女とその横で一緒に笑っている男が見えた
笑っている女は紛れも無く桜だった
遠くから見てもその笑顔ははっきり分かった
俺が本気で変わろうと思った…
全て…だから
優助『幸治、顔色悪いけど大丈夫か?』
幸治『えっ!?』
優助『お前の顔
三億円の宝くじをどっかに落として、俺の人生駄目だって顔になってたぜ』
優助は俺が元気ないのを心配していたらしい
優助『それも無理ないか、自分が見ている前でイチャイチャされ、しかもその相手が級長の剛毅
アイツかっこいいしモテるからなぁ…落ち込むのも当たり前か、可哀相に』
そう言うと俺の肩を叩いた
級長である井上 剛毅は元野球部のキャプテンであるそして、クラスのムードメーカーでみんなをよく笑わしている、また優しい一面もあるため女子から人気がある
幸治『はいはい、心配したのは嬉しいけど、そんな事これぽっちも思ってない』
そう言うと優助に右手を出して親指と人差し指の間を蟻ぐらいにして見せた
優助『失恋したのに相手の事を思って空元気な君に心打たれた
この優助、君だけのキュウーピッドになろう
君と桜がカップルに……グホッ』
幸治はあまりにも優助が言うことに耐えれなくなって優助の腹を殴った
幸治はため息をついて言った
幸治『さっさと場所を移そう、あの二人の邪魔をしないように』
優助『……これがお前の思いか…
その思い、俺はしっかり受け取ったぞ
俺に任せれば………あれ?』
優助は隣にいたはずの幸治がいなくなっている事に気が付いた
辺りを見渡すと幸治が近くにあるファミマに歩いていた
優助『いくらなんでも友達を無視してどっかに行くか』
独り言を呟いて、幸治の後を追った
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