23時11分~鉱山

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田中『…………』 ザッザッザッザ 足音だけが響く…… 岸田『んっんん………』 …………………… 田中『気がついたか?』 右の 東出口から出た… ザッザッザッザ 田中『なぁっ………』 岸田『…………』 田中『さっきなんで…………』 岸田『……………』 田中『お前…………』 岸田『えっ?』 田中『いや………』 大さな石に腰掛けた ……………… 岸田『あのあと……………無我夢中で……………』 田中『いいよっ……もぅ話したくなさそうだし……』 ……………… 田中『里絵はなんでこの島に?』 岸田『お母さん…………探してるの…………』 田中『お母さん?…………』 岸田『うん……………』 田中『携帯とかある?連絡先は?』 首を横に振った… ……………… 田中『ホントに………お母さ…』 岸田『ひどい!!嘘だとおもってるの!!!!』 田中『ちがっ……』 岸田は泣きながら 走り去った……… ……………… 田中はア然と立ちすくめた ………………… ……… 山中 岸田が一人で歩く……… 足元に 小さな黒影が近寄る…………… 岸田はそれを 思いきり踏み付けた…………… 視線を前にする………… 綺麗に光る大きな船を見つけた…………… 足元に古い新聞記事がおちている………………… 1962年 7月2日 中学校の修学旅行にでた 『サンドウィン号行方不明』 他の生徒は救命ボート脱出 救命されましたが 嵐のさいに 海に転落したと思われる 西岡市子『17』行方不明……………
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