- K.side -

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    ふわり、ふわふわ 蝶が腕の中で微笑んだ 真っ黒な翅を真っ赤に染めて、 それでも尚、微笑んだ ひらり、ひらひらと 男達を惑わせた黒い翅は、もう動かない もうどこにもやらない 誰の手にも触れさせない 昏い悦びに震えながら彼をかき抱いた俺に おぼろげな意識の中で、蝶は囁いた ― ありがとお・・・  
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