今昔之感

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「お、お兄ちゃん!」 「なぁに?」 「ま、まきく…友達が、お兄ちゃんがこわい、って遊んでくれないよ…?」 「あぁ…。僕たちが言ったんだよ」 「な、なんて?」 「『妃と遊ばないでくれる?』って」 「どうして!?」 「妃は俺たちより友達の方が大事なのか?」 「…違う、いや、同じぐらいだいじだよ!」 「…同じ…。僕たちはね、妃が一番大切なんだよ?」 「誰より、もな」 「お兄ちゃん…」 「とにかく、僕たちが妃と遊んであげるから、ね?」       お兄ちゃんたちは、今考えてみれば、あまりにも束縛しすぎだったんだ。 そのときは、ただ、お兄ちゃんは僕が大切だっただけだ、としか思ってなかった。
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