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「実は我々は京より来ました。」
(京都…やはりこちらの人(もの)では無かったのね。)
真澄は心の中で思った。
「何処の家かは申し上げられませぬがご容赦を…。ただ、始まりは三月ほど前、慎之介様のお父上がお亡くなりになりました。」
「母上は病で寝込み主家には色々と騒動が持ち上がったりと大変でした。
そんなある日の事でした。」
「主家と親交の深い八坂神社の神主様がやって来ました。そして我々に話をしてくれました。」
「神主様は私達に慎之介のお父上が亡くなる前に預かっていた物を届けてくれたそうです。」
「物…」
真澄は八重に近づいた。
「これがそれです。」
八重は黄色の小さな包みを出した。
八重は包みを開ける。
「…ほぅ…これは…鏡。」
盛重は包みの中の物が鏡とわかった。
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